漆器のはなし
漆の器ってどういう器のことをいうんですか?と質問を受けたことがあります。![]()
そうかぁ、漆器を知らないのかぁ、とさみしくも思いつつ、でも質問してくれたことをうれしく思いながら答えたのを記憶してます。
木をくりぬいて器に。そのままで使っていると木が水分を吸っていたみやすい。それを漆の木からとった樹液を塗りこむ。漆でコーティングされた木の器は衝撃に強くそして痛みにくく生まれ変わる。
西洋の料理と違い、日本の食事は直接器に唇をつけることを許している。その唇が当たる部分が漆になると、ふわっとやわらかくて軽く、そして温かい。それが漆の器の最大の魅力。
縄文時代からあったといわれる漆器は、最初の目的はきっと器を丈夫にするため。けれど、だんだんと美を追求されるようになっていく。木の器を薄くすればするほど、軽くなる。その分壊れやすいけれど、今度は漆を塗りこむ回数を増やせば強くなる。その上に美しい蒔絵を絵付けする。
どんどんと美しくなる漆器は、美しさを増すごとに庶民の手から離れていったのかな。
たしかに美しい装飾を加えていない、毎日づかいの漆の器でも、値段は高いと思う。
手間と時間と労力を考えるとでも、やっぱりこの値段になる。
今は、漆の代替え化合物でプラスティックを塗り固めたものが100円ショップで売っている。割れてもあきらめられるし、割れてもまた買えばいい。![]()
でも、と思う。自然からいただいたものだけで作った器。人の手だけで大事に時間をかけて生まれ変わった器。 初期投資は痛手ではあるけれど。 体を作るのは食べ物の力が大きいから。 体に優しい料理を体に優しい器で。長い間、大切に使っていきたいなぁと思っています。![]()
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